未来に向かって
経営を安定させるために
当社では近年、今後を見据えた企業活動を実践し、さらなる改革を進めている。
経営の安定化を図るため、2018(平成30)年12月、大阪中小企業投資育成株式会社の出資を受けて、資本金を5,000万円に増資した。大阪中小企業投資育成を株主とすることで、代表取締役の経営判断が尊重されると共に、経営相談やコンサルティングなどの支援を受けることができるのも、当社にとってメリットであった。仕事の受注への影響はなかったが、事業規模の大きさを改めて実感できた出来事である。
神戸須磨シーワールドホテル(2024年竣工)
SDGs行動宣言(2025年)
安全大会(2025年)
KF会議の開始
2022(令和4)年12月、社員たちが当社をよりよい方向に導こうと自主的に会議体を立ち上げ、意見交換を始めた。KF(Kashiwa Future)会議と名付けられたこの会議は、2014(平成26)年度に入社したガラス事業部営業担当者が8年目を迎えた時、社員がチームとして連携し、社内の改善を進めながらよりよい働き方を実現するにはどうすればいいかを考え、まずは同期入社の社員や、入社年数の浅い社員で話し合いの場を持ちたいと呼びかけたことがきっかけであった。
5、6名のメンバーが毎月1回集まり、仕事に関して思いの丈を語り、課題については改善案まで意見を交わした。その内容が、年3回行っている、課長職以上が出席する経営会議の議題に上がるようになった。
例えば営業活動におけるタブレットの導入は、KF 会議のメンバーが実際に個人所有のタブレットを半年間使用して、その効果やメリットを検証した結果を元に、経営会議で話し合われた。その結果、営業担当者全員に会社から支給されることになった。
ガラス事業部の営業担当から始まった会議体は現在、他の事業部にも広がりつつある。今の時代に合わせ、ボトムアップにより若手社員の働きやすい環境を作り、企業改革にも貢献している。
働き方改革の実践
労働基準法により、働き方改革の一環として2019(平成31)年4月(中小企業は2020〈令和2〉年4月)から、時間外労働の上限規制が規定された。工作物の建設事業は長時間労働の背景に、業務の特性や取引慣行の課題があることから5年間の猶予があったが、期限を迎えた。
建築現場では、休日や深夜でなければ不可能な工事もあるが、各ゼネコンでも4週8閉所を呼びかけており、これを受け当社では、2025(令和7)年1月からガラス事業部の完全週休二日制を実施。それまで、ガラス事業部とサイン事業部の就労時間と休日が異なっていたが、これを機に全社で揃えることにした。
100周年を迎えて
当社は2025(令和7)年8月、境政一郎商店の創業から100周年を迎える。これまでの歩みは、決して順風満帆ではなかったが、建設業界の荒波にもまれながらも、社員たちは誠実な仕事を重ね、「常に時代のニーズに応じた正道を歩み お客様に信頼されること」を全うしてきた。安定経営と働きやすい環境作りに取り組み続けてきたのである。
鴻池組より100周年を祝う記念品を受け取る(2025年)
鴻池組から授与された「優良会社 認定書(AAA)」(本社)
鴻池組から授与された「優良会社 認定書(AAA)」(東京支店)
鴻池組から授与された「優良会社 認定書」(左・本社、右・東京支店、共にAAA 取得)
関西エリアでは、2024(令和6)年11月に大阪駅北側の再開発プロジェクトであるうめきた2期(現・グラングリーン大阪)地区のガラス工事が終了し、2025(令和7)年4月開幕の日本国際博覧会(大阪・関⻄万博)の工事も終了。次のビッグプロジェクトは、2030(令和12)年秋ごろの開業をめざす、大阪IR を計画している。その中で当社が事業拡大を狙うのは、東京支店の事業拡大である。大阪本社の技術と経験を活かし、東京の巨大マーケットに乗り込む心づもりでいる。
当社には、長年かけて築いてきた取引先からの信頼という財産がある。それを軸に、時代に合わせた事業展開をし、社会に貢献していく。
大阪・関西万博のサイン(2025年竣工)
大阪・関⻄万博の大屋根リングでの作業(2025年竣工)