東京支店の開設
関東での事業拡大をめざして
当社はガラス事業で縁ができたゼネコンの東京進出を機に、東京のガラス工事案件を受託していた。この時は出張で対応したが、引きつづき関東エリアでの仕事を進めるには、東京に拠点を置く必要があると考えられていた。そして2013(平成25)年11月、サイン事業部の創立メンバーが以前所属していた会社の東京の社員より、当社が関東エリアの事業をするのであれば、転職して働きたいとの相談があり、東京支店開設の機運が高まった。
東京のマーケットは大阪と比べて大きく、参入することでさらに事業の拡大を狙うことができ、東京に拠点を持つことは必須と考えられていた。大林組の工事を受託している大阪の企業で、東京にも拠点を持っている企業は多くはなかったが、東京進出は会社を一段階大きくすることを意味し、現場力の高さのアピールにもなる。
当社は東京支店開設に向け、現支店長を採用。この支店長が前社で営業担当者として勤務していたころ、関係を築いてきた鴻池組や協力会社に掛け合った結果、それらの会社が当社を登録し、取引してくれることとなった。
2014(平成26)年5月、東京都港区のガラス事業とサイン事業の関東エリアでの営業拠点として、東京支店を開設。社員は1名のみで、机2つを備えたレンタルオフィスでの事業のスタートであった。交通の便のよい場所であったが、その後社員が1名増え、プリンターなど、サイン事業の営業活動で必要な備品がそろえられなかったことから、近くのビルの貸オフィスに移った。
東京支店開設時のオフィス
開設後の動き
東京支店での営業活動は、支店長のネットワークを活用して順調に進んでいった。柏商会という社名は関東では知られていなかったが、調べれば大阪での実績が分かるため、知名度の低さが足かせになることはなかった。東京支店のガラス事業は、以前より取引のあるゼネコンのほか、サイン事業と一緒にガラス工事の受注をすることが中心で、工事は大阪本社の社員が出張で対応。東京支店の開設から5、6年は両事業を進めたが、ガラス工事の経験者がいない東京支店で受注を広げることは負担となっていたため、徐々にサイン事業に特化していった。
東京支店で受注した工事では、2020(令和2)年9月に竣工した神奈川県庁分庁舎が大規模な事業となった。サイン工事では、神奈川県の伝統工芸品である小田原砂張おりんや寄せ木細工を参考に、その技術を取り入れたサインを作成。ガラス工事でも、規模の大きな受注となった。
神奈川県庁分庁舎のサイン(2020年竣工)
現在、東京支店の社員は5名となり、2024(令和6)年5月に10周年を迎えた。サイン事業の関東の拠点として、さらに営業活動を展開していく。
芳水小学校(2019年竣工)
田沼グリーンフィールド(2023年竣工)