History

沿革

柏商会100年のあゆみ

第3章

経営の強化を図る

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組織の強化を図る

リーマンショックの影響で厳しい経営状況に

2008(平成20)年9月に、アメリカの大手投資銀行であるリーマン・ブラザーズが破綻し、金融不安が世界中に広がり、金融危機が発生した。日本経済も悪化し、銀行からの資金調達が難しくなるなど、非常に厳しい時期を迎える。

当社も資金繰りに奔走する中、社員3名が、2011(平成23)年からの2年間で立て続けに離職。現場を任せられる社員が不在となり、当社は窮地に追い込まれたが、他の社員は事業をこれまで通り進めていこうと一致団結する。代表取締役である境昭博は自ら、生産部門の部門長や現場の所長に今後も変わらない発注を依頼し、了承を得て、新しい担当者への引き継ぎを行った。現場の所長の多くは、昭博が入社当初、現場で仕事をしていた時から見知った関係だったことも幸運だった。当社の厳しい現状は業界内でも噂になったが、これまでの信頼関係から発注を継続してもらえた。昭博の新日軽時代の同期社員を連れてきたり、工事部の社員が急きょ営業担当に変わったりなどの苦労もあったが、総力をあげて困難を乗り越えようという機運が高まっていった。

この時期に倒産に追い込まれたガラス工事店もあったが、当社は2001(平成13)年度以降の利益を確保する取り組みが功を奏し、黒字を確保することができた。また、2011年2月に大阪駅新北ビルが竣工したことによるサイン事業部の収益も、大きな支えとなっている。

JR 高槻駅北東開発・ガラス事業部の工事

JR 高槻駅北東開発集合住宅のガラス事業部の工事(現・高槻ミューズコート、2012年竣工)

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JR 高槻駅北東開発集合住宅のガラス事業部の工事(現・高槻ミューズコート、2012年竣工)

JR 高槻駅北東開発集合住宅のガラス事業部の工事(現・高槻ミューズコート、2012年竣工)

堂島アバンザ

堂島アバンザ(2000年竣工)

社屋の改築

サイン事業部の新設を通して事業の拡大が図られたころ、本社社屋の改築も行われた。本社社屋は1997(平成9)年の竣工時、事業を行うスペースのほか、家族寮と独身寮があったが、徐々に住居へのニーズが減ってきた。そこで事業スペースを広げるため、2010(平成22)年に改装。その後、英和商会の吸収合併やサイン事業部の新設で、全フロアが事業のために使われることとなり、完全なオフィスビルとなった。

現在の社屋

現在の社屋

ガラス事業部とサイン事業部を一体化

さまざまな危機や変化を経て、サイン事業部を新設してから2年が過ぎた2011(平成23)年、大規模事業であった大阪駅新北ビルの工事が一段落。これまでは、ガラス事業部とサイン事業部が、営業活動や会議の出席、掃除の分担などをそれぞれが単独で行ってきた。だが、同じ現場の場合、柏商会として一体化した動きを取った方が効率的であることが明らかであり、2つの事業部が協力し合いながら仕事を進められる雰囲気が、自然と生まれていた。また、同年11月には英和商会の吸収合併もあり、当社の事業体制が充実。社員の団結力が高まりを見せていた。

社内においては徐々に、経営資源や業務の効率化、充実した社内コミュニケーションや正確な情報伝達が可能となり、取引先に対しては、営業的な層の厚さを示すことができた。同時に、事業部の区分けを超えた情報収集を行い、ニーズやクレームなどが社内で即時に共有されるようになり、組織力の強化につながっていった。

プーマストア大阪

プーマストア大阪(2012年竣工)

グランフロント大阪

グランフロント大阪(2013年竣工)

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