History

沿革

柏商会100年のあゆみ

第3章

経営の強化を図る

5

サイン事業部の新設

新たな事業の柱となることをめざして

当社では、上記のようなカーテンウォールのユニット化などの流れを受け、ガラス事業のみでは事業が先細りすることを懸念し、もう1事業、柱になるものがほしいとチャンスをうかがっていた。

建設現場では、他の工事業者と接点がある当社の営業担当社員から、他社のサイン業者のリーダー格の1名が、メンバー5名と共に転籍先企業を探しているという情報が入ってきた。サインにはガラスも多々使用されるため、相乗効果が見込まれる事業である。また、当社が独自で新事業を立ち上げようにも、知識やノウハウがなく、経験者が入社して事業を遂行してくれることは大歓迎であった。彼らが当社に興味を持っていると話を聞き、チャンスだと捉えられた。

メンバーのリーダーは転籍先として、同じ仕上げ工事でタイアップできる企業を探していた。当社については、大林組が主要な取引先である点、建設業の中でも仕上げ段階の工事をしている点が同じであり、サインにガラスを使用することもあることから親和性が高いと感じ、一緒にやっていきたいと考えていた。

昭博とリーダーは打合せを重ね、2009(平成21)年6月にサイン事業部を新設。そのアピールのため、ブランド名infotec(informationtechnology の略語)を設定した。転籍を考えていた5名全員が1名ずつ時期をずらして入社し、当社社屋の3階にて、机ひとつから事業をスタートさせている。

サイン事業部ロゴ

サイン事業部のロゴ

サイン事業部の就業規則や給与規程は、前社と同じとした。ガラス事業部は土曜隔週出勤、サイン事業部は週休2日など、社内での違いが生じたが、業務内容の違いもあり、サイン事業部の意向を優先したのである。

新しい仲間が増えたことで、社内に活気が生まれ、いい仕事をしたいというモチベーションにもつながった。現場で仕事をしているメンバーは、入社した5名と以前より顔見知りであり、同じ現場の仕事もあったため、お互いに情報交換やフォローができるようになった。

当時のサイン事業部のメンバーは、JR 大阪駅(大阪市北区梅田)の改良工事の途中で当社に転籍してきている。改良工事は前社での受注であったが、その後の本体工事である大阪駅新北ビル(大阪市北区梅田)は当社で受注できるよう、前社の社長からも納得を得て、計画的に進めていった。発注者の大林組や、工事を行う協力会社からも、サイン事業の設計は本体工事から当社に変更することへの理解が得られたため、スムーズに移行することができた。

レム新大阪

remm 新大阪(新大阪阪急ビル、2012年竣工)

大阪駅新北ビルの工事を受注

2011(平成23)年2月竣工の大阪駅新北ビル(現・NORTH GATEBUILDING)は、サイン事業部にとって大きな仕事となった。JR 大阪三越伊勢丹や専門店群のルクア、シネマコンプレックスのほか、駅に直結したアトリウム空間やオフィスなどがあり、百貨店と専門店内の内装工事も受注している。駅名や施設名の大型看板から、トイレなどの案内表示に至るまで、全てのサインの設計と施工を行った。

大阪駅新北ビルの工事は構造設計が厳しく、100年再現という、100年に1度遭遇するであろう強い風圧に耐えうる安全性が求められ、それをどう実現するかに苦慮させられた。通常は金属の強度のみで算出するが、ガラスの強度もプラスして算出することで、安全性の条件をクリアした。

また、公共機関が稼働しながらの改修工事と複数施設のサイン工事となった。業務量が多く、大林組の現場事務所内にサイン工事用の事務所スペースを設け、社員が常駐して日夜業務に対応した。会社に寝泊まりする社員もおり、サイン事業部として最大の売り上げを誇る大きな仕事となった。

大阪新北ビル

大阪駅新北ビル(現・NORTH GATE BUILDING、2011年竣工)

大阪新北ビル

大阪駅新北ビル(現・NORTH GATE BUILDING、2011年竣工)

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