カーテンウォール工事の初受注
旭硝子製のガラスを扱う
建物で使用するガラスは施主に決定権があり、大阪アイ・ビー・エムビルは旭硝子製が指定された。当社はこれまで、日本板硝子製のガラス工事を多く行ってきたが、初めて本格的な旭硝子製品を扱うことになった。
当時の主な日本のガラスメーカーは、旭硝子と日本板硝子、セントラル硝子株式会社で、それぞれに系列があり、旭硝子は三菱系、日本板硝子は住友系、セントラル硝子は三井系であった。超高層ビルを建てる施主も大手財閥に属していることが多く、同じ系列のガラスメーカーを選択していた。大林組はガラス工事の発注にあたり、日本板硝子の仕事は柏商会に、旭硝子の仕事は他社にと決めていたが、仕事量を増やすために、当社は他のメーカーの仕事も積極的に受けるようになってゆく。
その過程で、旭硝子にアプローチするタイミングを計ったところ、同時期に旭硝子側でも新しい工事会社を探していたという幸運もあり、当社の実績が評価された結果、旭硝子製のガラスを扱う工事会社に加わることができた。
大阪アイ・ビー・エムビルの工事を5,000万円で受注
旭硝子の製品を扱うようになったことで、ガラス工事の受注額が5,000万円という大型案件が、大林組から当社に打診された。12階建てで、窓がある面の全面がカーテンウォール工法により施工された、大阪アイ・ビー・エムビル(大阪市西区靭本町)である。
当社にとって規模が大きく、カーテンウォール工法自体も初めての工事であったが、技量を示せる大きなチャンスの到来に、即座に受注を決定。1973(昭和48)年10月から12月までガラス工事を行い、建物は翌年に竣工している。
大阪アイ・ビー・エムビル(1974年竣工)
大阪アイ・ビー・エムビルの工事を終えた後、当社が受注した三和銀行本店ビル(大阪市中央区伏見町)の改修工事や、伊藤忠株式会社の新大阪ビルも旭硝子のガラスが使用され、5,000万円規模の工事であった。この工事を契機に、受注できる仕事の規模が瞬く間に大きくなった。
三和銀行本店ビル(1995年竣工)