新しい人材を集め、企業としての成長を図る
全国から若い人材を募集
当社の人材採用は従来、経験者の中途採用か縁故採用がほとんどであった。この状況を続けると若手が少なくなり、特に、体力が必要となるガラス工事部においては、施工という当社の強みが失われることにつながりかねない。そこで、2016(平成28)年度から毎年、大阪府内の高等学校に求人情報を出し、高卒の人材を募集することとした。
当初は順調に人材を採用していたものの、2019(平成31/令和元)年から3年間、新規採用者がゼロになった。ガラス工事の技術を覚えるには2、3年はかかるため、若い人材を常に採用し、育成していくことを計画している当社にとって、悩ましい状況であった。徳島県や鹿児島県等で開催された進路指導の教員が集まる交流会にも参加し、教員とのつながりを持つようにした。2021(令和3)年度からは、高校生を対象とした新卒採用を支援する企業に依頼すると同時に、仕事の魅力や実績をアピールする求人用のパンフレットを制作し、全国への求人を展開し始めた。
そうした地道な取り組みを実践した結果、他府県の高校生が大阪での仕事にも興味を持っていることが分かり、継続的な採用につながった。当社としても将来への投資として、長く働いてくれる人材を積極的に探すことに注力している。
新ダイビルの工事(2015年竣工)
ガラス事業部による新ダイビルの工事(2015年竣工)
新ダイビルのサイン
左:ガラス事業部による新ダイビルの工事、右:新ダイビルのサイン(2015年竣工)
ミャンマーから技能実習生を受け入れる
当社の人材採用の動きとして、1993(平成5)年に始まった外国人技能実習制度も挙げられる。建設工事の中でも躯体工事業者は、早い時期から技能実習生の受け入れを行っており、ベトナム人やフィリピン人が現場で技術を身につけて活躍していた。そこで当社でも、技能実習生の受け入れを検討。ベトナム人やフィリピン人は建設業界で多く見られたが、当社はまだ日本には少なかったミャンマー人を受け入れることにした。2019(平成31)年1月に、当社の技能実習生第1期生となる3名が入社。日本で技術や知識を学び、意欲的に仕事に取り組む姿勢に、社員たちはいい影響を受けた。当社としても、より早く知識を習得できるよう、彼らのために講習会を開いた。
この講習会は、日本人の新入社員向けの研修プログラムとしても発展。従来は現場でのOJT が中心であったが、ガラスの基礎や作業の手順、安全対策などについて、資料を用いて教えるようになった。
技能実習生は母国で4カ月間日本語を勉強し、来日してから1カ月間で日本の生活習慣などを教わってから当社に来ていた。しかし、彼らは関西の言葉づかいに慣れておらず、仕事現場で使う用語も知らなかったため、最初は言葉でのやりとりに苦労した。それでも仕事をする中で、社員や現場で出会う他の業者とのコミュニケーションを重ね、言葉を覚えていった。第1期生は初めての受け入れで苦労が多かったが、第2期生は、第1期生がミャンマー語でフォローを行うことができたため、最初から仕事や生活でのコミュニケーションがスムーズに進んだ。この良い関係性は第3期生以降も継続している。
UD ゆめ咲ビル(2017年竣工)
サイン事業部が手掛けた天王寺駅改良工事(2019年竣工)