Discussion

座談会

ガラス事業部

これまでの歴史に誇りを持ち、
次の100年を見据えて

2025.2.13

当社の100年の歴史は、ガラス事業と共にあった。数々の経験を経て、
大型ガラスなど、施工が困難な工事に対応できる技術を継承している。
現在のガラス事業部のメンバーは、歴史の重みをどのように捉え、今後についてどのようなビジョンを描いているのだろうか。
ガラス事業部のメンバーが語り合った。

Glass Constraction

ガラス事業部 座談会メンバー

2013年入社 営業部 課長

喜多 貴史

2014年入社 営業部 課長

中村 友彦

2017年入社 営業部

穴迫 靖崇

2017年入社 工事部 職長

関 斗萌也

2018年入社 工事部 職長

井ノ本 泰樹

2021年入社 営業部

境 元輝

2024年入社 業務部

境 大輝

INDEX

100年かけて築き上げてきた強み

中村氏
境元輝氏
井ノ本氏
境大輝氏

ガラス事業部の強みを教えてください。

大型ガラスの施工ができることです。技術力と団結力が求められますので、どのガラス工事業者でもできるというわけではありません。
ガラスは大きくなればなるほど重くなり、神経を使う作業になりますから、メンバーが息を合わせることが大切です。
私が経験した工事では、8名がかりで、約400kg のガラスを扱ったことがあります。また、1㎝という狭い隙間を狙ってガラスを取り付けるような、施工の難しい工事もありました。
ガラスは割れるものなので、扱いを間違えると破損したり、手を切ったりする可能性があり危険を伴います。大きくて重い、繊細なものを扱うのは難しいんですよ。
ガラスの角が少し当たっただけでも簡単に欠けたり割れたりして、そのガラスは使えなくなるので、大きなガラスを持つ時は、メンバーがお互いに声を掛け合っています。
団結力を発揮できる要因は、当社が社員工事部制を導入しているからと言えるのではないでしょうか。社員同士、お互いのことをよく知っています。また、工事の内容に合わせて担当するメンバーを決めることができるというメリットもあります。
仕事が終わった後は全員が会社に戻ってくるので、工事担当と営業担当とが顔を合わせ、情報交換ができていますよね。
営業と工事との打合せは、かなり綿密です。
知識や経験が継承されていくことも、社員工事部制だから可能なのでしょう。長い歴史の中で、数々の特殊な施工をやってきて、そのノウハウが次の仕事につながっています。
工事担当のメンバーは、さまざまな経験年数の人がバランス良くそろっているので、各現場でベテランから若手に技術が継承されています。数年経てば、その若手が中堅になり、後輩を指導するのです。
社内で教えてもらうだけではなく、工事現場に行って、施工方法を見学して知識を得ることもあり、貴重な機会になっています。
ベテランに教えを乞うのは、新しくて特殊な建物の時だけではなく、築年数の古い建物のケースもあります。当時の施工方法を知りたい時に、社内に知識や経験を持つ人がいるというのは、会社として強みになっているのではないでしょうか。
いろんなデザインの建物がありますから、経験を重ねた人でなければ、ガラスをどうやってその場所まで運ぶのか、どうやってはめ込むのかが、分からないケースがありますよね。
同じ工事を何度も経験することの方が少なく、現場の状況は毎日違うので、常にやり方を考えて、打合せをすることが重要になります。特に大型ガラスの場合は、現場監督に計画を伝えて、了解を得てから段取りしています。
どういうやり方で施工するのがいいのかは、簡単に決められるものではありません。メンバー間で意見が分かれることもありますが、最終的には職長が決めて、その方法でやることになります。それが経験となり、次に活かしていくことの繰り返しです。
そういうことが複数の現場で行われていて、社内でも情報共有されています。他の現場の情報や経験も取り入れていくことができるというのも、当社の強みですね。

若手社員や、これから入社する後輩たちに、受け継ぎたいものは何でしょうか。

施工技術ですね。経験を伝え、安全かつ確実に工事をやっていかなければなりませんから。
当社では難しい工事も行っているので、そのノウハウも継承していきたいです。
技術のほか、対応の早さがお客様に評価されてきました。仕事を継続して受注するためには、意識しなければならないことです。
KF(Kashiwa Future)会議など社内での話し合いの場を持つことを、柏商会の伝統にしていきたいですね。日頃から情報共有や意見交換をすることで、技術力を高め、スピード感のある対応ができているわけですから。考えていることを言葉で伝える習慣も、安全に工事を行うために必要です。
仕事をする上で思ったことを共有し、注意点を伝え合うことは大切ですよね。日頃の情報交換のほか、現在工事部と営業部で月1回、中堅と若手による月1回の会議の場を持っています。社歴や役職に関係なく、仕事のことをきちんと話せるようになると、さらに風通しのいい会社になるはずです。
関氏
穴迫氏

ゼネコンと共に歩み、
技術力を高めた歴史

なんばスカイオ工事
打合せ

ガラス事業の歴史を支えてきたものは、何だと考えていますか。

当社は創業当初からゼネコンからの仕事を受注してきました。現在では、これまで築いてきた信頼関係の上で、継続的に仕事をいただいています。
いつもお仕事をいただいているゼネコンは、大阪のガラス工事業と言えば柏商会だと思ってくださっていると感じます。
確かに、現場の所長との会話の中でも、次に予定されている工事も担当ですよねと言われるなど、柏商会が関わるものだと思っていただけているようですし、実際に発注してくださっているのはありがたいことです。
信頼関係を築くことは大切なことですよね。私は仕事相手に対して連絡や相談は欠かさないようにしていて、理解の相違がないようにやりとりしています。柏商会はここまで丁寧に仕事をしてくれるという安心感を持っていただきたいですし、それが信頼となって、次の仕事にもつながっているのではないでしょうか。
長年同じゼネコンからの仕事を受けていると、コミュニケーションをしっかりと取れるようになります。お互いをよく知っていると、安心して仕事を進められます。
ゼネコンごとに現場のルールがありますしね。同じゼネコンの場合、現場が異なってもルールは大抵同じなので理解できていますし、現場所長が以前お世話になった方の場合、打合せがしやすいです。同じゼネコンから継続して発注していただけることは、仕事のやりやすさにもつながりますよ。
大阪でガラス工事を行っている会社は、当社以外にもたくさんあるわけです。その中で、次も柏商会に頼もうと思っていただけるよう、営業の立場でできることは、正確な発注と円滑な施工管理。早いけれども間違っていたり、正確でも時間がかかったりしては、仕事は減っていくでしょう。現場の所長に、次の仕事も担当が中村だといいな、と思っていただけるよう心がけています。
また一緒に働きたいと思ってもらうには、コミュニケーションが大切ですよね。打合せのほか、現場ですれ違った時の挨拶や、時間に余裕がある時の雑談などで、自分を知ってもらうようにしています。

時代に合わせて改革し、
働きやすい職場に

現在のガラス事業部の課題は何でしょうか。

業務のデジタル化に本腰を入れなければならない時期だと考えています。建築業界全般で言えることですが、図面など紙ベースのものが多く、数十年前の図面の場合は廃棄されているケースもあります。そうすると改修する際に、一から寸法を測り直す作業が必要となり、時間を要します。現在、タブレットの導入で、PDFファイルの活用も少しずつ進めていますが、業務の効率化につながるデジタル化を積極的に進めることは必要です。その他、現在注目されているAI 技術を取り入れる動きも出てくるでしょう。
新しい技術には注目していきたいです。建築業界全体の課題として、工事を担う人材が少なくなっていますから、技術を駆使して少人数で施工する方法を探っていく必要があります。
ガラス搬送用吸盤機など、すでに機械を使っている部分もあり、さらに進めたいところではありますが、人の力に頼らなければならない工事が多いのが現状でしょう。現場の条件は毎回違いますし、そもそも当社には、人力でなければできない工事の依頼が多いですから。
結局人の技術は必要で、それが当社の強みでもあります。当社はあと数年で定年退職するベテランがいますので、若いメンバーが現場での経験を重ねて、ベテランから仕事のノウハウを学び、柏商会全体の技術力を高めていきたいです。
その他の課題としては、今年からスタートした完全週休2日制を、ガラス事業部でどう浸透させるかということです。建築現場では、その場所や用途から、土曜日や日曜日に工事をせざるを得ず、工事担当者が毎週決まった曜日に休みを取るのは難しいのが現状です。その中でも、よりよい方法が見つかると、働きやすさにつながると思います。
工事
倉庫
本社倉庫
うめ北開発

仕事のやりがいについては、どういう時に感じていますか。

工事現場にはさまざまな資機材があり、雑然としている中でガラスを取り付けます。作業の時は建物の全体像は見えにくいのですが、足場が外され、資機材がなくなった後に建物を見上げると、ガラスが本当にきれいで、やりがいを感じます。
私は営業として、自分が発注したガラスが、メンバーによって取り付けられ、建物が完成して使われている様子を見ると感動します。施主に引き渡された後も、建物を見ることができるのはうれしいもので、その現場の思い出も蘇ってきます。
大阪駅北側の再開発プロジェクトであるうめきた2期は、ビッグプロジェクトでした。大型ガラスを入れたので、印象に残っています。そのガラスは絶対に発注ミスが許されない高価なものだったので、複数人でチェックするなど、営業として緊張感のある仕事でした。工事が終わった後に当社が入れたガラスを見て、こんなに大きかったんだと実感し、技術力の高さを再認識しました。
私は入社してまだ年月が浅いですが、大阪という大きな都市の至る所に当社が関わった建物があり、街のシンボルになっていることに、やりがいを感じています。そうした建物はどんどんと増えていくわけで、これからも楽しみです。

今のメンバーが、次の100年に
向けての原動力となる

打合せ風景
境元輝氏
中村氏
井ノ本氏
境大輝氏

ガラス事業部の今後の目標や、メンバーとして取り組みたいことを教えてください。

ガラス事業部として挑戦してみたいのは、日本におけるガラス工事の最新技術をいち早く取り入れることです。現状では、東京で新しい技術を使ったガラス工事が行われ、その後に大阪にもその技術が広まるという流れがあり、当社は受注後に東京の技術を学んでいます。もう少し早い段階で技術を取り入れ、仕事の打診があった時にその技術を熟知していると、柏商会の技術力の高さがさらに建築業界に広まります。
設計者は、建物をより魅力的なものにするためにガラスの使い方を追求していて、私たちの想像の範疇を超えるものもありますよね。最近のトレンドでは、細いサッシに超大型ガラスを入れるような依頼があります。技術について学び続けることは大切ですね。
私は個人の能力を十分に活かし、楽しく働ける会社にしていきたいです。メンバーそれぞれ、楽しいと感じるポイントは異なりますが、仕事は人生の中でも比重が高く、仕事で充実感を得るのは大切なことです。一人ひとりが楽しみながら仕事ができれば、当社はもっと勢いのある会社になり、この先100年、200年と続いていきます。
モチベーションは大切ですね。仕事ができる人がきちんと評価される会社であるべきですし、社員が生き生きと働き、新入社員が憧れる先輩がたくさんいるような会社にできれば、柏商会で働き続けたいと思うはずです。
私は今の仕事に懸命に取り組み、成長することで、柏商会の歴史に残る大型案件を任せてもらえるようになりたいです。
私は8年目になり後輩が増えているので、知識やノウハウを伝え、会社の成長に貢献していきます。
100周年を迎えられた日本の中小企業は非常に少なく、当社の歴史の重みを感じています。今のメンバーが主体となって次の100年を見据えた行動をし、後進につなげていかなければと気持ちを新たにしています。
ガラス事業が100年続いたのはお客様からの信頼のおかげですし、これからも信頼される柏商会でなければなりません。そのために私たちができることは、いただいた仕事をきちんと行うこと。それをみんなで心がけていきましょう。
PAGE TOP PAGE TOP